【考え方】大事な場面で有効なサーブとは?
卓人の皆さんこんにちは。ムーです。
今日は特に中級者に向けた試合での戦術についてのお話をしようと思います。
皆さん大好き、またとても感心の強いサーブについてのお話です。
最近YouTubeなどでたくさんの種類のサーブ動画を見かけますよね。
参考にして練習している方も多いと思います。
私も見ていてこれ出されたらキツイなと思うクオリティのものが多くて困ります(笑)。
合わせて質疑応答形式の配信でもプロコーチなどにサーブに関しての質問も多く、改めてサーブへの関心が高いことがわかります。
そんな中、少し気になる(問題だなと思う)質問をされる方を見かけます。
ちらほらではなく結構多い印象なので、少しそれについて書きたいと思います。
リスナーさん①:9-9で出して効くサーブは何ですか?
リスナーさん②:試合で1点欲しい時に効くサーブは何ですか?
・・・
コーチ:試合の状況によります。それまで出していないサーブです。などなど
このような質問をどこかでして、同じ回答をされて、答えになってないと感じた経験がある方もいるのではないでしょうか。
まさに上級者の考えはコーチ達のおっしゃる通りです。私も同じ答えをすると思います。
ではどのような意図が含まれているのでしょう。
これは以前お話しした内容と少し関連があります。
ura-omote-pen-shake.hatenablog.com
卓球とは確率を操作し操作されるスポーツであることを書きました。
例えば、とてつもない回転量で初見で出すと必ずエースが取れる巻き込みサーブがあるとしましょう。
しかし、これを試合中の数ある1点欲しい場面で連発すると上手い人は2球目からは対応してきます。すると試合がもつれた終盤戦ではすでに必殺技ではなくなってしまうことが多いですよね。
これは同じ状況をこちらが作ると慣れられ相手が返球に対して確率を操作してくる為です。
かえって意図しないレシーブが返ってきて形勢逆転されるということもあります。
数多いるヒーローたちが最後の最後まで必殺技を取っておいて最後敵にとどめを刺すときだけこの必殺技を出すのも同じ考えです。(多分)
そこでまず一つ目の答えです。
必殺技は必殺の場面で使いましょう。
勝っている状況、そしてあと1点ないしは2点でゲームセットという場面で出しましょう。ということです。
そのためには必殺技をしっかりと持っておく必要があります。
種類は切れているもの、ドナックル何でもいいと思います。
それまで出していない回転量、コースが重要です。
これがコーチたちから横下の巻き込み!横上のYG!などと限定した回答が返ってこない理由であり、”出したことのないサーブ”とおっしゃられる意図です。
少しニュアンスは違いますが、戦況を見て例えば6点差を追い詰め、あと1点で追いつくなどといった場面も必殺の場面ではないですが、追いつくことで相手へのダメージが大きい場合は使っても良いと思います。
その場合は必殺技を複数持っておけば良いですね。
ここでこのように使う必殺技を練習する際のポイントです。
試合と同じように、練習最後の1球だけ出しましょう。
そこで意図したサーブが出せたら必殺技の完成です。
何度も連続して出す練習は感覚を掴むのには有効ですが、試合で使う為の練習としてはあまり意味がありません。緊張した場面を練習の中でも作りましょう。
二つ目の答えです。
必殺サーブがなくとも普通のサーブを必殺サーブにしてしまいましょう。
これは私がよく使う手になります。
ポイントは試合は5セット使えるということです。
例えば9割短めのサーブを回転量、コース出し分け、相手に短いサーブでまず神経を使わせることが最も重要になってきます。
すると同じ回転量でも1点欲しい時に長く出してあげると良く効きます。
長い分少しつまらせることでミスを誘えるだけでなく、詰まると相対的に回転の影響を受けさせることができるのでより有効です。
この組み立ての良さは、戦況的に相手が長くくると予想できる場面での短いサーブも効いてしまうという点です。
また、近年チキータ技術が蔓延している中、ロングサーブの有効性も高まっていると思います。
これが”戦況に合わせて”という回答の意図になると思います。
おまけ:さらに上級者の考え方
さらに上級者にもなってくると、出場大会トータルで組み立てを考えます。
トーナメントなど負けられない戦いに突入した際に、サーブはさらに重要となります。
予選では出していなかったサーブ。予選では行っていなかった組み立てです。
試合を消化していくにつれ相手も強くなり、大抵事前に観察・研究されます。
そこで”この選手はここぞの場面でこのサーブが来るな”と思われると非常に不利ですね。
私も以前決勝戦で戦った相手がその大会1本も出していなかったフォアロング上回転のサーブを10-9で出され触れることができずにゲームセットとなったことがあります。
試合後談笑している中で"最後まで出さずに取っておいた"とまんまとやられた経験があります。
本当の必殺技を真正面から喰らった格好になってしまいました。
そこまで取っておけるその他の技術や気持ちの余裕があるからこそできる技ですね。
最後に1点注意点を書いて終わりにしたいと思います。
上回転系のサーブに対して相手がツッツキし、ふわっと浮いて返ってきたボールには要注意!
これはふわっと返ってきたからといって決してチャンスボールと考えない方がいいです。
回転の軸を変えられているので予想以上に下の回転量が多いボールです。
普通に打つとネットミスする危険が最も高い罠です。
普段よりしっかりと押し込む意識で打球しましょう。
■今日お伝えしたいポイント
・1点欲しい場面で"特定のサーブ"が効くということはない。
・必殺サーブを会得し、必殺の場面で出せる練習をしましょう。
・普段出すサーブでも短長の組み合わせで効くサーブにしてあげましょう。
以上になります!
それでは今日も卓球ができる喜びをかみしめて。
ムー