【考え方】練習の質を上げよう -練習のための練習からの脱却-
卓人の皆さんこんにちは。ムーです。
Tリーグも開幕し、怒涛のように連日試合が組まれているのですね。少しビックリしました。
私はTV中継のあった試合しか観ていないのですが、今回の話に繋がるTリーグからの気づきを共有させていただきたいと思います。
それはトップ選手の返球するボール(サーブ含め)の深さ(長さ)、コースです。
皆さんサーブの長さに拘りをお持ちですか?
ドライブやスマッシュは深さ、コースをどの程度意識してますか?
サーブについてですが近年の傾向として、トップ選手はさほど短く出しているようには見えません。2バウンド目が台から出るか出ないか、もしくはミドルにロングサーブという光景をよく目にします。
特に2バウンド目が台から出るか出ないかのサーブの特徴は球足が速いことです。
これはチキータが広く普及してきたことが影響していると考えられます。距離感が取りづらく、溜めを作らせないためにこのような形になってきているのでしょう。
また両ハンドを巧みに強打出来る選手が増えてきている中でミドルへのロングサーブは非常に有効です。
相手に先手を奪われないようなサーブを出していますね。
次に攻撃、カットともにサイド、エンドラインに決まる、狙う技術の高さです。
これも相手の体勢を詰まらせ、万全の体勢で打球させないためには重要です。
また相手の立ち位置によって打つ場所を瞬時に決める技術も試合などでは視野が狭くなりがちですので高度な技です。
セル時代ほどボールのスピードが上がらないので1発で決めに行くためにはこのような状況判断やサイドを切る技術はとても重要です。
野球でも同様のことが言えますよね。
135km/hのストレートしか投げられなくてもコントロールが抜群に良ければ打たれない、一方160km/hのボールでもコースが悪いと打たれるのと同様です。
TV中継でスピード表示やボールの軌道を線で追うのはビギナーさんには大変良い仕掛けだと思います。
合わせて試合後など攻撃が決まった場所を台上にマップで示してくれるとプロの凄さが際立って皆さんのような熱心な方向けにはいいのではないかとも思います。
本題に入りますね。
先ほど述べたようにトップ選手や強い選手は地味ですが細やかなところの技術がとても高いことがわかります。
やはりそこに拘って練習をしているからこその技術だと思います。
では練習で違う何かがあるのでしょうか。私はメニュー内容自体はあまり一般の方達と変わりはないと考えています。
一方で彼らは試合で勝つことが至上命題です。
そのため理想としている技術を会得し、相手から点を奪い取るための意識が人一倍強いのだと思います。
では一般の我々が相手から点を奪い取るためにどの様な意識で練習をすればいいのでしょうか。
”練習のための練習”になっている可能性はありませんか?
難しいことをする必要はありません。
普段の練習に"意識"を追加しましょう。
これから普段の練習でオススメの意識を3つ紹介します。
意識を変えることで練習の質はご自身次第で何倍にも向上させることができますよ。
①ドライブ、カット練習での意識
だいたい練習の中でフォア打ちの次くらいに練習するメニューですよね。
この練習の中ではどのような意識で練習すれば良いでしょうか。
ポイントは複数種類のドライブ(カット)を使い分ける、そしてコースへの意識です。
1つ目はカーブやシュート回転のない純粋な縦回転のドライブ(カット)をエンドラインに狙いましょう。
まずは縦回転の球筋で安定したボールが打てるようになったらフォア、ミドル、バックの3点に打ち分けましょう。フォアから、バックからなど自分の立ち位置も変えるとなお良いです。
カーブやシュート回転が入るとコースを正確に狙いにくくなるため、綺麗な縦回転のドライブは試合中連打で攻める際に重要な技術となります。
2つ目はフォア前中陣からカーブドライブをサイドラインに狙う意識です。
これはカウンターや相手の体勢を崩す、1発で決めるために重要です。
3つ目はバック前中陣からシュートドライブをサイドラインに狙う意識です。
カーブ同様、相手の体勢を崩したり、1発で決めに行くのに有効な技術です。
さらに実践的にするのであれば、縦回転ドライブを数球連打し、相手のブロックが浮いたボールをカーブ、シュートで打ち抜くのが良いでしょう。実際に試合ではカーブ、シュートドライブを連続して打つケースは少ないためです。
基本のドライブやカットだけでもこれだけ意識的に分け、試合で使い分けることで相手を崩し得点力だけで無くプレーの幅、安定感が増します。
②ツッツキ練習における意識
以前にも少し書きましたが、ツッツキは①で練習したドライブを最大限に使うためにとても重要な技術です。
ではどのような意識で練習すれば良いでしょうか。
ポイントは攻めるためのツッツキを1発で正確に入れる意識です。
ストップを始めたらストップだけを行うのではなく、途中で攻めるツッツキを入れましょう。
例えばレシーブをする方が仕掛ける、などと決め事を作っておき、4球目以降どこかで深くエンドラインを狙った鋭いツッツキを打つと良いです。
相手が詰まって、返ってきたボールが高い場合はそのまま①で練習したドライブで打ち抜きましょう。
ツッツキをした側は相手を詰まらせることができたら(強打ができるボールが返ってきたら)バッチリです。
ツッツキに関しては連続してツッツキ合いしても中級者以降はあまり意味がありません。試合で長々とツッツキ合いをすることはないですよね。
先に攻める、と決めた時に正確に鋭いツッツキができることが重要です。
③システム練習における意識
自分のサーブから3球目や5球目攻撃など固定したパターンを繰り返し練習することは皆さんもよくされていると思います。
この練習をさらに実戦に近い緊張感の中で行うための意識についてです。
常に”打ちやすいサーブは相手に主導権を奪われる”という意識でサーブを出しましょう。
もっとも集中すべきは3球目でも5球目でもなくサーブに最大限意識を置くことです。
例えば、下回転サーブを相手のバックに出す→バックにツッツキをしてもらう→3球目攻撃というシステムで練習するとします。
その際、相手にはサーブの2バウンド目が台から大きく出る場合は2球目から攻撃、サーブが短かすぎる、また高い場合はストップやチキータをしてもらいましょう。
※注意:相手の方は仮に主導権を奪う場合、決してミスをしてはいけないという意識が必要です。あくまで練習パートナーのための動作であることを忘れてはいけません。
この例では相手に”ツッツキしかできない”と思われるようなサーブを出すことがポイントです。
もっとも怖いのはイメージしたサーブが出せずに相手のペースに持ち込まれてしまうことです。
このような相手に先手を取られないサーブについては普段から時間をとって意識して練習する必要があります。意識さえ持って練習すれば短時間で構いません。
■今日伝えたかったこと
・試合で使える技術力を高める練習を行うためにはボールの深さやコースに意識をおきましょう。
→ドライブやカットは基本はエンドラインを狙いコースを打ち分ける。チャンスボールはサイドラインを狙いカーブ、シュートドライブを駆使しましょう。
→ツッツキは相手の体勢を崩すため1発で鋭くエンドラインを狙いましょう。
→システム練習を行う際は攻撃側に負荷をかけるため相手に甘いボールは先手を取ってもらいましょう。そうならないようにサーブに最大限の集中力を使いましょう。
本日は以上になります。
普段の練習の中で、いかに試合の状況で使える技術を訓練することが点を相手から奪う近道です。
もし普段行っているシステム練習でどのような意識、練習方法をすれば良いかアドバイスが必要な方はお気軽にコメント欄、ツイッターから質問してくださいね。
それでは本日も卓球ができる喜びをかみしめて。
P.S. 本当にありがたいことに毎日多くの皆様に当ブログを見て頂いております。こんな技術、考え方が知りたい等ありましたらコメント欄、ツイッターにてリクエスト下さい。出来る限り優先的に記事にしていきたいと思います。
ムー